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『ボーダーランズ3』クリエイティブ・ディレクターからの手紙

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『ボーダーランズ3』がついに発売、クリエイティブ・ディレクターのポール・セージから皆さんへ、感謝のレターをお届けいたします。

元記事の投稿日:2019年9月12日(木)

まさにゼロからのスタートでした。私たちがゲーム作りに“着手”したとき、確かなものはひとつもなく、何かあったとすれば、それはファンと私たち自身の期待だけでした。期待は喜びであり、同時にプレッシャーでもありました。2015年にGearboxでプロジェクトに取りかかったとき、大人気シリーズにつきもののこうした期待は、大きなプレッシャーとして存在していました。チーム一丸となって私たちは、こうした期待をアイディアに落とし込むところから始めました。アイディアが生まれ、そのアイディが多くの人々に引き継がれ、それぞれの努力や才能によって具現化していく様を見るのは、何だか不思議な気分になるものです。こうした初期段階では、具体的な数字やゲームの物理、エレメンタル・ダメージの種類、プレイヤーが一緒にゲームを楽しむ上での障害物の除去などよりも、ヴォルト・ハンターたちの様々なアクション・スキルや、ゲームプレイに大きく影響してくるメーカーごとの銃の違いといったことについて話し合いました。こういったアイディアの多くは、完成したゲームにも活かされています。

2016年8月、着手から1年と少しが過ぎたところで、私たちはゲームエンジンをUnreal 4に切り替えました。当然、多くのツールとパイプラインも変更を余儀なくされました。私たちは単に新しい「ボーダーランズ」を作っていたのではありません。新しい「ボーダーランズ」を新しい方法で作っていたのです。ゲームエンジンの切り替えと同時に、チームも拡大されました。「ボーダーランズ」シリーズの新作を素晴らしいものにするため、作業は大規模にならざるをえず、そのような中でも意思の統一は必須でした。締め切りのある仕事をしたことがある方ならわかると思いますが、多くの人間が関わるプロジェクトでやり方を変えるのは大きなチャレンジです。いえ、“チャレンジ”という言葉では綺麗すぎるでしょう。チームがやり遂げたことを正しく表現するには、この言葉では足りません。考え方やアイディア、物事の進め方は人それぞれ異なります。時としてこうした違いは困難をもたらすものです。

私たち全員がこうした困難を突破できたのは、「自分たちのゲームをプレイしてくれる方たちに楽しい時間を過ごしてもらいたい」という、揺るぎないただ一つの目標があったからです。以前に私は、自分が置かれている立場について触れ、チームを擁護したことがあります。『ボーダーランズ2』の後継にふさわしい作品を生み出すためにチームがどれほど団結して頑張ったか、いくら強調してもしたりないほどです。もちろん『ボーダーランズ3』の製作(→TO冨家さん、映画だとこの場合は制作ですが、ゲームの場合はいかがいたしましょうか?)はやりがいに溢れ、現場は仲間意識に満ちていました。しかし、すべてが美しい思い出であるかのように語るのは、「これは愛情に支えられた労苦であり、このゲームを作り上げたチームを私は誇りに思います」という言葉の行間を読み取ることを難しくしてしまうでしょう。

同様に、最高のゲームを皆さんにお届けしたいという情熱についても、私は正しくお伝えできていないかもしれません。皆さんも生活の中で悩みや困難に直面していることと思いますが、このゲームでそれらをすべて忘れていただきたいのです。微笑み、声に出して笑い、少しの間だけでも嫌なことを頭から追い払ってください。楽しい経験を他の方たちと分かち合っていただくのも大歓迎です。チームの情熱を感じてもらい、「ボーダーランズ」の新作をプレイしてもらうことだけにとどまらず、くつろぎ、笑い、心から楽しいと思える時間を過ごしていただくことが私の望みです。これはきっと始まりでしかありません。来年も『ボーダーランズ3』の企画は目白押しです。

さあ、話はこれくらいにして、そろそろひと暴れしようではありませんか!

- ポール・セージ